Making Diary
<AUG. 2004>カッコイイ、棺桶編
方眼に描いたラフスケッチ
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今回、製作するのはなんと棺桶。俳優永瀬正敏氏が監督した作品、「乾いた花〜four by four equal one〜」のDVD発売を記念してのイベントのために作ります。
まずはいつものラフ。こういう木工ものはサイズをきちんと出さなければいけないので、方眼用紙に描く。
パーツを組み立てるM君
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ベニヤで切り抜いたパーツを角材で補強しながら組み立て。今回は他にも4点ほど製作物があるので、久しぶりに「弟子募集」で来てくれたM君を呼ぶ。いつも無茶な働かせ方して、すまんね。
組みあがった蓋と本体
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組みあがった蓋と本体。まずは形が出来ました、と。これからがたいへん。この手のものはそれなりに凝らないと、安手のお化け屋敷みたいになっちゃうからね。
側面に装飾を付ける
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さかさまで分かり難いんだけど、側面と蓋に半丸の木材で装飾をつける。床に置く、ということなので側面 はあまり目立たないかもしれないけど、だからといって手抜きは出来ない。
蓋部分の十字架の装飾
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いちばん目立つ蓋部分の十字架の装飾。なにせ時間がないので素材探しにかけずり回って ダイヤのような飾りがついたお金持ち風フックを発見。これを4つ買って分解。中心のモチーフもありものの内装素材。
出来合いのものを部分的に使って、いかにそれらしく見せないか、というのも美術の得意技のひとつ。
内側のクッションを製作
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さて私が十字架に頭を悩ませている間、M君には内側のクッションを製作してもらう。 ベニヤにスポンジを貼ったものを布でくるむという作業。仕事場が埃だらけなんで2Fの私の自室でやってもらう。複数のものを作る時には家は狭いのでスペース確保もたいへん。
クッションの各パーツ
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布でくるみ終わったクッションの各パーツ。これにくるみボタンでへこみをつける。ソファなんかによくあるやつね。
しかしこの布、いいよね。永瀬氏と外は正調ゴシックで中はちょっとポップ感がある方がいいと打ち合わせ。探しにいって一目でこれだ!と決定。誰か私にこの生地で思いっきりチンピラ風のシャツとか、作ってくれないかなぁ。服、作れる人、連絡下さい。
塗装前の蓋
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塗装直前の蓋。十字架の装飾もなんとか完成。曲線を構成しているのはなんと家の車に積んであったロープ。これが塗装でどう変わるかが腕の見せ所ですな。
下地塗装
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まず下地塗装。ベニヤの質感を消したいので内装用の繊維が多く含まれる壁材を混ぜてどろどろのものを塗る。これで先ほどのロープなんかも塗り固められる。
ただ乾きが遅くてさ。なんとエアコンを暖房に切り替えて2Fに避難。時刻は夜中の1時。締め切りは明日。早く乾いてくれっ!
下地塗装2回目きんきらきん
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下地塗装、2回目。きんきらきんに塗る。先ほどのどろどろで微妙な凹凸が出来ているので最終塗装+乾燥後にやすりで表面 をこするとこの金が部分的に見えて来る、という効果を狙ってます。
最後の塗装
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黒で最後の塗装。手前の本体側面、半丸の木材でつけた装飾部分だけこすって金を出してみたところ。全体にワックスを塗ってしっとりした艶を出す。普通のクリアを塗るとてかてかで安っぽくなるのであえて面倒なワックス仕上げ。
十字架の塗装
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十字架にブロンズ色の特殊塗料を塗る。これは乾燥後、布でこすると金属光沢がでるというプラモデル用のもの。わりと効果的なので、よくお世話になってます。
完成した蓋
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ブロンズの下地にさらに金をこすりつけて、例のダイヤパーツをはめ込んで蓋がやっと完成! 狙いどおり正調ゴシックになったかな。なかなか重厚感が出ていると思うんだけど。
完成
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内側にクッションパーツをはめ込み、ふちの角材部分にはシルバーのサテンを貼って完成。サイズが120Bと小さめなんだけどなんかとても収まり心地が良さそうな。自分用に 大きいサイズで作っとこうかな。
イベント当日にはこれに永瀬氏の作品がプラスされて展示されました。1日だけではもったいないよね、ほんと。すごく楽しかったのでまたなにかコラボ出来る機会があったら、ぜひ誘って頂きたいです。

永瀬氏公式サイト
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